自由な夜の響き

サボると言ってもやはり休みととってサボるには限界がある。

私は基本的には他の人に迷惑をかけないように(気づかれないように)サボる日に向けて着々と準備を進める。集中して働き、残務をほぼ無くしてからサボる。それでこそ、気持ちが自由になるからだ。

しかし、嫌な仕事に集中して取り組んだり、そもそも有給休暇にも限りがある。

 

そこで深夜だ。

タイミングは土日休みの場合、木曜日くらいがいい。木曜日疲れても金曜日は適当に仕事をこなして、次の日はお休みだからだ。一日くらい眠くたって超適当にやればいけちゃうもんである。私の実行している内容は以下だ。

 

配偶者や子供が寝静まった1時くらいから、Youtubeでローファイ・ヒップホップを聴いたり、レコードを聴いたりしてリラックスタイムを作る。お酒は飲まない。強い人はいいが、わたしはどちらかというと眠気が来るタイプだ。眠ってしまってはせっかくの滋養が削がれてしまう。

夏だったら冷たい炭酸水や麦茶を飲みながら、ちょっと窓を開けて月や少し遠くに見える

揺れる椰子の木を眺めながら考える。ありし日のこと、これからのこと、付き合った人のこと、つきわなかったけど、デートした人、その思い出。

深夜を縫うベース音や回る円盤状でループするビートを聴いていると、そんな色々が泡みたいに綺麗にふわふわと浮かび、夜の冷たさの中にさらされ確かな重みを持つ。

そんな時、私は私であり、リアルはリアルで、自由であることを実感するのだ。

制限をなくし、忘れた時、見えない鎖は消え去っている。